12月 今年一年への感謝祭
また、利用者の皆様だけでなく、職員も今年1年への感謝の言葉を発表させて戴きました。有難い事に今年は新しい職員が何名か加わり、日々様々な学びをさせて戴いております。そこで今月は、4月に入社した職員の発表した感謝の言葉をご紹介したいと思います。
「今年1年を振り返って」
介護職員
土屋 真由美
春から翠風園で仕事をさせて戴いてから8ヶ月が過ぎようとしています。今年は私にとって「出会い」の年でした。翠風園の利用者の皆様との出会い、職員の皆さんとの出会いです。「出会い」は人を成長させ、沢山の感謝の気持ちを学ばせて下さいます。利用者の皆様、職員の皆さんから学ばせて戴いた事は「人は1人で生きているわけではない。たくさんの人の支えがあり生きている」という事です。
私の今年の目標は【自分に自信をもち、自分を愛してあげる】でした。私にとって、この目標はとても難しいものでした。
そして、ある職員の方が教えて下さいました。
「自分を責めたり愛してあげられない人は、他人をいじめている人と同じなのですよ」と。
私は初めて気付きました。私はずっと自分で自分をいじめてしまっていたのです。それほど悲しい事はありません。私は今、少しずつですが、明るい光の方へと進めている気がしています。利用者の皆様の笑顔を見せて戴く度に、私も沢山の勇気と元気を戴きました。これからは、私の笑顔で利用者の皆様へ少しでも感謝の気持ちを伝えられるよう頑張っていきます。
入社して1年にも満たない職員ではありますが、この様に今年1年を振り返って下さいました。「自分がいただいたものをお返ししないままにいられない」という気持ちが翠風園で働かせて戴いている私達スタッフの心得ですので、この様な感想を聞く事ができ、とても嬉しく思いました。
それから今年は、1年間お世話になりました利用者の皆様へ感謝の想いを込めまして、日替わりで職員が特技を発表させて戴きました。これまで行事によってはお琴を習っている職員が演奏させて戴くような場面もありましたが、普段はその様な特技を披露した事がなかった職員も含めて全員が芸をご披露致しました。学生の頃に習ったリコーダーやギターの演奏だったり、紙芝居やバルーンアート、中国武術といった珍しい特技を持った職員もおり、利用者様にたいへん好評でした。
中でも素晴らしかったのは、最終日に行った習字とお琴のコラボレーションでした。「四方の海」という曲をお琴で演奏している間、畳と同じ大きさの習字紙に明治天皇のお読みになられた和歌を毛筆で書かせて戴きました。
四方の海 みなはらからと思ふ世に など波風の立ちさわぐらん
梓弓 やしまのほかも波風の しずかなる世をわがいのるかな
この御歌は、日露戦争の真っ只中「世界中の人は皆一つの家族兄弟と思うのに、なぜ互いに憎しみ合い、争いを起こすのだろう」という血で血を洗う現実を嘆き悲しまれ平和を請い願い憂いた御歌です。「日本の国のみならず外国に至るまで、争いのないしずかなる世を私は祈ります」という明治天皇の深いお心が込められています。
人と人との間に争い事の種は尽きませんが、この御歌に込められた願いは全ての人の願いではないかと思います。私達職員もこの御歌に習い、人と人とを繋ぐ懸け橋になりたいと思います。